お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
「このオレにできないことがあるなんて……」
夏休みのはじめ。
あたしたちは遊園地にいた。
「まあまあ、身長制限は仕方がないよ」
「オレ余裕だし~」
ジェットコートスターに乗りたいというあたしの申し出に、3人で並んだものの、征十郎君の身長では無理だと言われてしまった。
敦君は余裕でクリア。のんびりとあたしの手を握ってニコニコしている。
「2人でデートだね、」
「敦君……」
「赤ちんきてからなかなか2人になれなかったからうれしいし」
そう言ってこっそりあたしに耳打ちする敦君。
「絶叫系平気?」
「乗ったことあるけど~何が怖いかわかんなかったんだけど~」
「強いんだね」
「かっこいい?」
「調子のらないのっ」
征十郎君が拗ねてるじゃない。
征十郎君に謝って、彼にはお土産屋さんで待っていてもらうことにした。
「身長制限今度はないののろうね、これだけはどうしてものりたいの」
「そんな気を使わないでほしいね」
「……うう、ごめんなさい」
征十郎君の不機嫌そうな表情、怖いです。
子供なのになんだかすごみがあるんだよね、彼。
「うわああああああ!!!!」
コースターに乗り、どんどん高いところに上がっていくだけで、あたしはテンションが上がって叫んでいる。敦君はぼんやりと空を見上げていた。
「高いね~……ってわっ」
「きゃーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「おおお」
テンションが上がったあたしは敦君の手を握りしめていた。
そして。
「これはどういう事だい?」
コースターが降りて来る俊会を取った記念写真を見た征十郎君が顔を引きつられた。
「積極的だったし」
「いや、あの、テンション上がってつい」
「これじゃあカップルみたいじゃないか」
手をつないで、2人で隣り合わせに乗って。
そう征十郎君に言われると、少し顔が赤くなる。
敦君はにこにこしてる。
「だって婚約者だしきすしたもんねっ」
「……敦、それは本当か?」
「うん!」
「いや、それは敦君が勝手に言ってるだけで」
「じゃあ、オレもさんに婚約を申し出よう。帰り、家に寄ってくれ」
「えっ」
「絶対だ」
征十郎君は冷めた声で言った。
そうして、あたしたちは征十郎君の家に向かうことになった。