お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
もうすぐ夏休み。風が気持ちいい季節になった。
かき氷も私のお店では人気だ。
敦君もお気に入りみたいでお小遣いをためてやってきてくれる。
1年生ももう学校にはなれて、楽しそうに学校に通っている。敦君たちは毎日のようにあたしの家に訪れて、わいわいやってくけど、たまにはあたしが遊びに行くというと我慢してくれる。
そんな2人は、今日はあたしの家に集まって会議をしている。
「夏休みはどこへ行く、さん」
「抜け駆けずるいし」
「ああ、敦も誘う気だよ」
「まじで!? つれてってくれるの!? オレんち家族多いからあんまり遠出できないんだよね~」
「敦、いくら俺の家がお金持ちでも遠出の予定はないよ?」
「そうなの?」
敦君が残念そうな顔をする。
征十郎君はやれやれと頭を振った。
「遊園地と水族館と動物園、カラオケ」
「カラオケだけは嫌だしっ」
「へえ?」
敦君の露骨ないやそうな顔に、征十郎君は悪い顔をした。
「じゃあカラオケは決定だね。敦は歌が下手だったね」
「わかっててきめんの!? 鬼!!」
「だってライバルにいいところをわざわざ見せさせるわけがないだろう?」
2人はあたしを無視して話を進める。
「あのぉ」
「なんだい? さん」
「なーに? 」
「あたしの意見は?」
「さんならやさしいからすべて付き合ってくれるだろう?」
にっこりと柔和な笑みを征十郎君は浮かべるけど、正直少し怖い。だって、断るスキがないんだもん。
「あたしは夏祭りとか……行きたいな」
「ああ、いいね」
「子供射的やりたいっ」
「すきなのかい?」
「お菓子いっぱいとるしっ」
敦君の口からよだれがたれきそうな勢いだ。
正直言って微笑ましいんだけど、夏休みの宿題もあるんだけどなあ。
そんなことを考えていると、征十郎君と目があった。
「大丈夫だよ、宿題はオレの家の家庭教師を読んであげる」
「本当!?」
「さんは公立に進学するんだろう? 受験がないなら、もう少しオレたちに思い出を作ってほしいな」
「な~」
2人がかわいく笑う。
……こんな風に言われたら、断れるはずないじゃないか!
こうしてあたしの夏休みのカレンダーには、二人との予定がぎっしり書かれることになった。