お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
今日の敦君は、ひざ小僧に絆創膏を貼って現れた。
目の周りは、うっすら赤い。
昼休みの校庭は、生徒でにぎわっている。
「敦が体育の授業ころんじゃってね、大変だったよ」
「痛いし……」
「大丈夫? 敦君」
「だっこして~?」
甘えた声を出して敦君が飛びついてくる。
「まったく甘えん坊さんだなあ」
「痛いもんっ」
仕方がないのであたしは敦君を抱き上げる。
正直少し重いけど、頑張る。
「敦は子供だな」
「子供でいいもんっ」
「敦は子供だけど、大きいんだからあまり長くはだっこしてもらうなよ。さんは女性だからね、あまり力はないはずだよ」
「わかってるし」
そう言いながらも敦君はあたしにしがみつく。
うーん、甘いにおい。
「お椅子に座ろ」
「うん」
「これで長く抱っこしてもらえるし」
「……考えたな、敦」
赤司君が感心した目で見ている。
「赤ちんもだっこしてもらえば?」
「遠慮しておくよ。オレは子供じゃないからね」
あたしからしてみれば、征十郎君も立派な子供なんだけどね~。
「はずかしがりや~」
「敦が堂々としすぎてるんだよ」
「む~」
あきれるように笑う征十郎君に敦君が首をかしげる。
「おっきくなったらオレおね~ちゃんをだっこしてあげるね」
「……楽しみにしてるね」
それはさすがに実現しないだろうけど。
そのころは、まさかあこまで敦君が大きく育つとは思ってもみなかった。