お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
「征十郎君はたまに僕とオレ両方使うよね」
「……無意識ですかね」
「僕って言い方大人っぽいよね」
「そうですか?」
あたしと征十郎君の会話に、敦君がギラギラと嫉妬のオーラを放つ。
「僕だって僕って言えるし~」
あら、かわいい。
真似っこして僕って言っちゃったよ、敦君。
「僕、おね~ちゃんが喜んでくれるなら僕っていうし……」
恥ずかしそうにもじもじ言う敦君。
「敦君はオレでいいんだよ、似合うから」
「ほんとぉ?」
撫でながら行ってあげると、敦君は無邪気に喜んだ。僕っていう敦君も可愛いけど、やっぱ敦君はオレだね。
「オレは、そうだね。えらい大人の前では僕って言わなきゃいけないからね……年上の前では僕って言う癖がついてたんだと思うよ」
「そっかあ、じゃあ征十郎君もオレって言ってくれて大丈夫だよ」
「ありがとうございます、さん」
この年頃って一人称悩むよね。
友達の前でだけオレだったり、家ではまだ一人称名前とか君付けだったり。
あたしは小学校あがるころ、自分で切り替えて言ったけど……。
「どんな一人称でもどっちも可愛いよ」
「かわいいって言われてもうれしくないのですが」
「俺は嬉しいし!」
「敦は子供だな……」
「えー?」
「ふふ」
あたしはふたりを眺めながら、宿題のノートを開いた。
「さあ、二人とも宿題しよっか」
「はあい」
「あ、オレはやってきました」
「さすが征十郎君」
「む、オレもがんばってやるしっ」
政準郎君をあたしがほめるとむきになって敦君が宿題を広げる。
小さい子に囲まれるのも、嫌じゃないなあ。
将来の夢は保育士さんか、小学校の先生でもいいかもしれないな、なんて。