お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第1章 お姉ちゃんと一緒
そして朝。校庭の鶏の鳴き声で、目が覚めた。
あの男の子の周囲がざわついてる。
「おねしょしてる~」
「昨日紫原いじめてたくせにーそれこそ幼稚園児みたい」
男の子は真っ赤な顔をして丸まっている。
ペアの6年生がなだめているけれど、このままでは泣き出しそうだ。
「なあに、なんなの?」
敦君は眠そうにあたしの中からもぞもぞとあらわれた。
「なあ、紫原、あいつおねしょしてるぜ! 昨日むかついただろ! 笑ってやろうぜ!」
「そんなのどうでもいいし~もっと寝る……」
マイペースな敦君の発言にその場は静まり返る。
「……そうだよな、どうでもいいよな」
「とっとと着替えようーあたしお腹すいた―」
敦君の一言を切り替えに、1年生たちがバタバタと動き出す。
あたしは寝なおそうとしている敦君を引きはがす。
「敦君、もう朝の会しなきゃいけないよ」
「あと3分だけぇ~」
「絶対起きてこないでしょ」
ほっぺをふにゃりとつねると、敦君は目をぱちりと開けた。
「痛いし……」
お持ちのように頬を膨らませて敦君が動き出す。
着替えはそれぞれ男女ごとに仕切りがある中で行われるので、そこへ敦君があくびをしながら進んでいく。
すると。
「お菓子もらった」
「誰に」
「あいつ」
敦君はお土産をもらって帰ってきた。
指さしたのは、敦君をいじめてた男の子。
「よかったね~」
「ん~これおいしいやつ~」
「そっかそっか」
「あとね~オレに嫉妬してたんだって。嫉妬ってなあに?」
「やきもちだよ」
「そうなの? あいつの好きな子がオレのこと好きなんだって」
あらまあ、モテちゃってるじゃん。敦君。
「でもオレが好きなのはだし♪」
そう言って敦君はぎゅーっとあたしに甘えてくる。まいったなこりゃ。
昨日今日のことがあったから、ますます堂々と甘えられそうな予感。
まあ、かわいいからどうでもいいけど。