第9章 花火大会【土方十四郎】
花火大会の会場には、たくさんの屋台が並び人も多くごった返していた。
凛「土方さん。あの飴食べたいです!」
土「買えばいいだろ。」
凛「土方さん。あのお面、つけたら可愛いと思いますか?」
土「どうだろうな。」
凛「土方さん。綿飴半分こしましょう。」
土「マヨネーズがあるからいい。」
さっきからそっけない返事ばかり。
少しイライラしているようにも感じる。
凛「(無理言って休みをとってもらった上にこんな人混みの中に連れて来ちゃって…迷惑だったかな。)」
凛は綿飴を少しかじり、土方をチラリと盗み見た。
凛「(相変わらず綺麗な顔…私みたいなのが隣にいて迷惑なのかな…)」
なんだか急に切なくなってきて凛は溜め息を一つついた。
凛「土方さん。」
土「今度は何だ。」
凛「今日は無理言ってごめんなさい。もう満足したのでこの辺で解散しましょう。」
土「は?」
凛「じゃあまた。」
土「ちょ、おい!待て!!」
凛は土方に背を向けて人混みの中に消えていった。