第9章 花火大会【土方十四郎】
翌日、土方十四郎は屯所の門前で凛を待っていた。
土「くそっ…今日はお偉いさんと一緒に花見酒ならぬ花火酒だってのに。俺だけ休みとか大丈夫か?」
真選組の隊士達は皆、今日のお偉方との宴会に出席している。
本来ならば副長である土方も絶対出席しなければならなかった。
だが
近「今回はそれほど重要な話はない。親睦会のようなものだ。」
沖「鬼の副長もたまには休んで永遠の眠りについてくだせぇ。」
などと言われ、半強制的に非番とされた。
土「(総悟の野郎は帰ってシバく。)」
すると、程なくして恋人である凛が現れた。
凛「お待たせしました。土方さん。遅れてすみません。」
土「やっと来たか。じゃあさっさと行く……」
凛「えへっ♪どうですか?」
浴衣を着た凛は土方の前でクルリと回った。
凛「昨日買ったんです!近藤さんに土方さんの好みを教えてもらって一緒に選んだんです。どうですか?」
大好きな土方のために、自分なりに頑張って可愛くオシャレしてみた。
土「そうか。まあいいんじゃねえのか?ほら、さっさと行くぞ。」
凛「え?」
だが、思ってた以上に土方の反応は薄かった。
凛「(反応は薄いだろうとは思ってたけど…もうちょっと言葉が欲しいよ…)」
せっかくのイベントだというのに、凛は少し悲しくなってしまった。