第34章 こたつ【土方十四郎】
土方は寝ぼけていた。
いや、意識ははっきりしているのだが、目が覚めたばかりのあのホワホワした浮くような気分に浸っていた。
そこに恋人の温もりと匂い。
屯所ではなく彼女の一人暮らしの家にいるという気の緩みも加わり、自分でも呆れるほど簡単に勃っていた。
「凛、触らせてくれ。」
「いや、もう、既に、触っ…!」
ふにふにと柔らかな山を揉むと、凛の腰が少し揺れた。
ブラのホックを外し、下着の中に手を滑り込ませて頂きを軽く摘まむ。うなじに顔を埋めて深く息を吸うと、石けんの香りと何となく甘い香りが鼻をくすぐった。
「凛…良い匂いがすんな…」
「っ、首元で喋らないで…!」
「……可愛い…」
凛は少し驚いた。
土方がこんなにも甘く素直なのは初めてだった。
ほぅっと息を吐き、少し体の力を緩めた。
「土方さ…顔…見たいです。」
「…ん。」
土方は凛を振り返らせるとそのままキスをした。
すでにもうお互いの息は熱を持っていた。頭の中が溶けたような心地になる。
凛は絡まる土方の舌に必死に応えた。緩急ついて口の中を撫でられると背中がゾクリと震えた。
しばらく互いの口内を堪能し、どちらのとも取れない唾液の橋をかけながらようやく口を離した。
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