第34章 こたつ【土方十四郎】
「…んん…?」
目覚めてみれば、窓の外が薄暗くなっていた。しかも体が少し痛いし思い。
身じろぎしてみると背中から土方に抱きしめられている状態だと分かった。こたつに入り込んで絨毯の上で寝てしまったから体も痛いのだろう。
「ひ、土方さん!」
「…んぅ…」
「起きてください。もう夕方です。」
「…もう少し…寝かせろ……」
疲れているのだろうか、起きる気配はなく抱きしめる力が強くなった。でもそろそろ起きなければ、このままだと二度寝してしまって起きるのは真夜中になるだろう。そうすると翌日が辛い。
「起きましょうってば!こたつでこのまま寝てしまったら風邪もひいちゃいますよ。」
離れてくれないので、なんとかぐるりと体を回転させて向き合う。土方は薄く目を開けた。
「…今、何時だ…」
「もうすぐ六時です。」
「そうか…起きねえとだな…」
「ですです。」
土方はくわっと欠伸をして自分を目覚めさせるかのように伸びをした。
「夜ご飯ちょっと遅くで良いですか?起きてお腹空かせましょ。」
お昼ご飯を食べてすぐ眠りについてしまったため、今はあまりお腹は空いていない。
「そうだな。」
「えっ、何っ!」
立ち上がろうとしたところで、グイっと土方に腕を引かれ再び土方の胸に抱かれた。
「土方さん?」
「腹空かせねえと、なんだろ?」
土方がグッと凛の腰を引き寄せたかと思えば、凛の太ももに硬いものが当たった。
「え!なんで!?」
「まあ、男の性だ。」
そう言うと土方は凛の服の中に手を忍び込ませた。
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