第34章 こたつ【土方十四郎】
お腹いっぱいになった凛は、自分の分の食器を片付けた後こたつに入りながら眠たさに船を漕いでいた。
窓から入ってくくる日差しも良い感じに暖かい。
土方の仕事もまだ終わらなさそうだし、もういっそのこと部屋に戻って寝てしまおうか。いやでも土方のそばにも居たい。
夢に入りかけた凛のそばで、土方が大きく伸びをした。
「……あ、終わり…ですか…?」
「いや、まだ一区切りついただけだ。ちょっと一服する。」
「どうぞー…ベランダに灰皿置いてますぅ…」
カラカラと掃き出し窓を開けてベランダに出る土方。
その一瞬で窓から入り込んでくる冬の空気が、眠気で温まった体に心地良かった。
部屋に戻った土方はもう今にもこたつに突っ伏しそうな凛を見た。
せっかくの休日に放置して申し訳ない気持ちになりつつも、凛の穏やかな姿に愛しさがこみあげてきた。
「あと少しで終わる。寝てていいぞ。」
「…ん……はぁい…」
土方は凛の頭を撫で、柄にもなく額にキスを一つ落とすと凛を静かに横たわらせた。
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