第33章 期末テスト【3Z 沖田総悟】
「でも総悟もよく私の勉強に付き合ってくれたよね。」
1時間ほどして、小休憩を挟む二人。
「一生懸命勉強したって俺に敵わないっていう絶望的な表情拝むためでさぁ。」
「いや、まだ負けたって決まってないから!」
「どうだかな。」
ニヤリと笑う総悟。
イケメンだから余計腹立つ…。
「ふん!いいもん。数学で負けても、その点数差分は他の科目でカバーするもんね!総合点で勝ってやる‼︎」
「せいぜい頑張ってくんな。」
凛が勉強を頑張る理由はいくつかある。
一つは将来のためと、頑張った分きちんと結果に出てくれるし周りも褒めてくれるから。
あとは…
「ま、てめえが張り合ってこなけりゃ、成績なんてどうでも良かったんだがな。」
総悟が、勉強を頑張って張り合ってくる凛を面白そうに見てくるから。
そう、凛は総悟に恋をしていた。
「(私だって総悟がいなかったらこんなには頑張ってないもん…)」
イケメン顔に秀才頭脳、運動神経も良いため、総悟は学校でかなりモテる。
だが総悟はそういうのに興味ないのか、学校一可愛い子に呼び出されてもすっぽかすし、超料理が上手い子からの差し入れも手につけない。
体張ってアタックする子もいたけど、いつの間にか身代わりにゴリラがいたりするらしく上手くいかない。
そんな隙のない総悟の「特別」になれるのが勉強だった。
「(こうやって二人きりになる時間をゲットできる…それだけで充分嬉しい!)」
二人で勉強する時間が、凛にはとても大切だった。
他の女の子からちょっと嫌味な事を言われたりするけど
「じゃああなたも勉強して一緒に勉強すればいいじゃん。別に独り占めしようなんて思ってない。」
って言ったら大体諦める。
.