第33章 期末テスト【3Z 沖田総悟】
今日はクラスメイトの沖田総悟と、凛の家でテスト勉強。
高校生の男女が密室に二人きり。
甘い雰囲気に包まれ……
「だからさっきも言っただろーが。」
「いや、わっかんないって!」
包まれてはいない。
床に置かれた小さい机に向かって、真面目に期末テスト勉強をしている。
「なんでその考え方になるわけ?」
「問題に書いてあるだろうがい。」
「いや、それをなかなか読み取れないんだって…」
「その値は何示してんですかぃ?それ考えりゃ分かるだろ。」
「んー……あ、なるほど。」
今は凛の苦手な数学の勉強中。
「やっと分かったか、ばーーか。」
「はぁ⁉︎馬鹿じゃないし!総悟の教え方が悪いんでしょ‼︎」
「てめえの理解力が無いだけだろうが。ほら、次。」
凛の成績は良い方だ。
隣にいるこの沖田総悟もそう。
他の科目は二人とも良い勝負だが、数学だけは凛は沖田にどうにも勝つ事が出来ない。
「くそっ!数学的思考力が敵わない分、演習量でカバーしてやるっ‼︎」
「無駄な努力にならないといいですねぃ。」
「くうぅぅ‼︎腹立つううぅぅ‼︎」
むきい…っ!という声が聞こえそうなくらい鬼の形相で問題に取り組む凛。
その横で総悟は出されたお茶を飲みながら、余裕な表情で凛の部屋にあった少女漫画を読んでいた。
「余裕だな!おい‼︎」
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