第32章 忘年会【土方十四郎】
「んじゃ、俺も寝るかな。」
片付けを終わらせた土方が凛の寝る布団に、いつものお泊まりの時のように潜り込んできた。
「え、ちょ、止め…なんで!」
「あ?逆になんでだ?」
「私まだお風呂入ってない…」
「別に構わねえよ。特に臭くもねえし。俺もまあまあ飲んでっから。気になるなら明日の朝風呂に入りゃあいい。」
「でも…」
「俺もちょっと眠ぃんだよ。いいから寝かせろ。」
そうしていつものように凛の頭の下に腕を突っ込んで向き合う。
いわゆる腕枕。
土方はすぐに目を瞑った。
その行動があまりにもいつも通りで、でももう来年からこの機会も減ると思うとふいに寂しさが胸を締めつけた。
「土方さん…」
目を瞑っている土方の唇にそっと自分の唇を重ねた。
「なんだ、誘ってんのか。」
冗談っぽく笑って凛を見た土方の目に、真剣にジッと見つめる凛の顔が飛び込んできた。
「誘っています。」
「…酒で体だるいんだろ。」
「大丈夫です。せっかく一緒のお布団で寝てるんですから…抱いてください。」
「……キツかったらすぐ言えよ。」
すぐに優しいキスの嵐が降ってきた。
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