第30章 こたつ【坂田銀時】
凛の職場は、今では有名なあのかぶき町の万事屋。
そこの素晴らしいダメ男な社長は、凛の上司でもあり、実は恋人でもあったりする。
「……褒めるか貶すか、どっちかにしてくんない?」
社長の呟きはさておき、午前中は野暮用があって今日の凛は昼頃に出勤した。
「こんにちはー!ごめんなさい、遅くなりました。」
「あ、凛ちゃん!新八ー!凛ちゃん来たアルよーっ!!」
玄関に入ると、ちょうど靴を履いた神楽と定春がいた。
「え、ほんと?あ、凛さん。こんにちは!」
そして奥から眼鏡…じゃなかった、新八がひょっこり顔を出してきた。
「神楽ちゃん達は、今からお出掛け?」
「いつもの買い物です。神楽ちゃん、僕もすぐ出るからちょっと待ってて。」
「早くしろヨ。酢昆布売り切れたら困るネ。じゃあ凛ちゃん、行ってくるアル!」
「行ってらっしゃい。」
そう言って神楽は定春を連れて外に出ていった。
「凛さん、ちょっと。」
「ん?どうしたの、新八くん。行かなくていいの?」
「先に凛さんにお願いしたい事があって…」
「?」
新八に手招きされながら家に上がると、苦しそうに顔を歪めながらこたつで眠る銀時がいた。