第29章 反乱【阿伏兎】
ずるりと欲のカタマりを抜くと、それだけの刺激でも凛はビクリと体を震わせた。
「大丈夫か…?」
「ん……阿伏兎は…収まった?」
「ああ。俺はもう大丈夫だ。」
少し疲れてはいるが、もう媚薬の効果も切れている。
だが、凛は体を動かせないようで、心なしか顔もグッタリしていた。
「……悪ぃ…加減出来なかった。」
普通の女の子のような表情に、少しだけ罪悪感が生まれた。
「ううん。大丈夫。私が仕掛けた事だもの。」
行為中、上の服も破り取ってしまって凛は一糸纏わぬ姿になっていた。
自分のマントを凛にかけると、凛はそれにくるまりながら俺を見上げた。
「やっぱり…私を殺す?」
「ん?あぁ…そのつもりだったんだがな…」
殺す気は失せていた。
「じゃあ、連れていってくれる?」
「……仕方ねぇかな…」
「やった♪」
してやったり顔半分
本気の嬉しさ半分
そんな凛の顔に俺もフッと笑みをこぼした。