第29章 反乱【阿伏兎】
「あ、阿伏兎!待ってたわよ♪」
「お前…何してんだ。」
部屋に着くと、凛は大きなリュックを背負って俺を待ち構えていた。
「私も一緒に連れていってくれるんでしょ?第七師団だし。」
「いや、お前さんにはここで死んでもらう。連れて行くのは危険だからな。」
「……………。」
初めて見た。
少し寂しげな凛の顔。
だが同情なんてしない。
してる場合じゃない。
「せめてもの情けで、一瞬で楽にしてやる。」
「……そう……それはすごく嬉しいけど…」
凛がソッと棚から取り出した液体袋
「一応抵抗させてもらえるかしら?」
「っ!?」
投げられたその袋は空気抵抗で簡単に破れ、よける前に俺に降りかかった。