第29章 反乱【阿伏兎】
「っち!くそっ!!毒か!?」
まあいい。
とりあえず凛を仕留め…
「うっ……」
途端、猛烈な頭痛がし、心拍数が急速に上がっていく。
もともとの丈夫さに加え、鍛え上げた俺の体が上手く言う事をきかない。
「……んだ……コレ……は…っ…」
「うふ♪媚薬よ。私の特製♪」
「う……」
どうやらかなり強い薬のようだ。
「こん…な時に…何してやが……この…すっとこどっ…こい…」
「さすが阿伏兎!この薬、普通の人間に使ったら嗅がせただけで狂い死にしたのに。強いのね。」
「…くそっ……解毒剤……寄越せ…っ!」
「ごめんなさい。これの解毒剤なんてものはそもそも作ってないの。」
凛はゆっくりと壁に寄りかかった俺のもとへ歩み寄り、そっと頬を撫でた。
「…っ!!触……な…」
「セックスしないと…地獄よ?」
男はみな野獣。
加えて媚薬で脳内まで犯された俺に、冷静な判断なんで出来るわけもなかった。
「……止めてっつっても……止めてやらねぇぞ……ヤり殺しちまっても…恨むなよ……」
「望むところ。」
ニヤリと妖艶に微笑む凛に、俺は獣のようにかぶりついた。