第28章 別れの日【土方十四郎】
結局、ギリギリの所で土方の元に駆けつけた真選組は、蔵場達を一網打尽にした。
そしてその後、土方を含め全員が大江戸病院へ急いで戻った。
ミツバの命の灯火は、消えずに待っていた。
「ミツバさん…。」
「凛ちゃん…総ちゃんの事………十四郎さんの事……よろしく…ね……」
「そんな……」
「あの人は……一人…じゃない……良かった……」
ミツバは凛を優しい瞳で見つめていた。
見抜かれていた。
土方さんへの恋心。
最後に私が伝えられる事はなんだろう。
「絶対、ミツバさんの事、忘れさせませんから。いつまでも私達の…土方さんの中に居続けてください。」
あなたが出来ない分、これからは私が側であの人を支えます。
想いが届かないとしても。
凛はミツバの手をギュッと握った。