第27章 お化け屋敷【沖田総悟】
━ パシッ ━
だがすんでのところで従業員さんの手が捕まれる。
「ん?君は?」
「…………。」
「おき、沖田さん…ヒック…」
凛は恐怖と安堵から涙をボロボロ流している。
沖田は少し顔をしかめ、従業員さんから手を離して凛の腕を掴んで立たせた。
「コイツの連れでさぁ。」
「そうか!良かった!!二人で大丈夫かい?」
「出口は分かってやす。」
「ならいい。じゃあ僕は仕事に戻るよ。」
沖田は腕を掴んでグイグイと凛を引っ張る。
「出やすよ。」
「へ?」
二人は早々にその場を立ち去り、それを見送った従業員さんも自分の仕事場に戻っていった。