第27章 お化け屋敷【沖田総悟】
「何してんでぃ…」
見れば凛が慌ててソフトクリームを横から舐めていた。
溶け始めているのだ。
あまりに必死なため、鼻に付いてるのに気づいていない。
「鼻に付いてますぜ。」
「へ?」
寄り目で見てみると、確かに付いている。
「(ベタだな、私…あ、沖田さん、取ってくれたり!そのまま指で拭ってペロッてして『甘ぇ』からの…ふああああ!!)」
そんな淡い期待を胸にチラッと沖田を見ると、沖田はゆっくりと手を伸ばしていた。
そしてそのまま…
━ ベチャッ ━
凛の顔に残りのソフトクリームを押し付けた。
「ぬわぁっ!なっ、何するんですか!!」
「アイスで化粧かと。」
「んなワケあるかあああぁぁぁっ!!」
「似合ってますぜ。」
「嬉しくないわ!」
プンスカと怒る凛を他所に沖田はニヤニヤと笑っていた。
だがすぐにタオルを取り出し、凛に手渡す。
「ほら、早く拭きやがれ、ノロマ。」
「あ…どうも…。」
そのギャップにどぎまぎしながらも、凛はアイスを拭き取った。
「新品のブランドで返せよ。」
「ふぇっ!?」
「冗談でさぁ。あ、残ってる。」
凛の口元に残ったアイスを指で拭い、そのままペロリと舐めた。
「甘ぇ…」
顔を少ししかめている沖田の横で、凛は顔を真っ赤に染めていた。