第25章 反省会【佐々木異三郎】
応接室には、低めのテーブルとそれに合う大きなソファが向かい合って一つずつ。
小さなカウンターもあり、その向こう側にはポットやコップなどもてなしに使う道具が、ソファに座った人から見えないように置かれている。
凛はそのソファに座らされ、目の前にソーサー付きのコーヒーの入ったカップが置かれた。
佐々木は同じコーヒーの入ったコーヒーを持ち、座らずにそばの窓際から外を見ていた。
「潜入捜査、ご苦労様でした。お陰様で過激派攘夷党を一つ潰せました。」
「任務を全うしただけです。」
「潜入に関してはあなたに一任しましたが、まさかあそこまでするとは思いませんでしたよ。」
「目的を果たすためならば手段は選びません。」
凛がその言葉を発した瞬間、佐々木の纏う空気の温度が一気に下がった……気がした。
「それは…素晴らしく頼もしい姿勢ではあります。」
佐々木はコーヒーをテーブルに置いて凛の斜め前に立つ。
凛も口にしていたカップを置いた。
「ですが、いくらエリートの私でも許せないものがありますよ。」
その瞬間、ダンッとものすごい音がした。
気づけば凛の顔を挟むように佐々木がソファに手をつき、凛の足の間に片足を滑り込ませている。
そして凛に覆い被さるような姿勢のまま、射抜くような目で凛を見ていた。