第25章 反省会【佐々木異三郎】
「き、局長…?」
「一体、何人に身体を許したんですか。」
「…………。」
無言。
それは暗に、一人や二人でないという答えを表していた。
「組織に溶け込むためには仕方のない事でした。」
凛は潜入中、幹部に取り入るために、望まれれば身体を許した。
時には自分からけしかける事もした。
全ては任務遂行のため。
「仕事に対する姿勢は見事ですが…少し度が過ぎています。」
見廻組がアジトに乗り込み凛を発見した時、彼女はタオル一枚を体に巻いただけだった。
その傍には凛が斬り殺した幹部の死体がゴロゴロと転がり、何より隊士達を驚かせたのは、凛が血と精で赤と白に濡れていた事だった。
「捨て駒は横取りされようと潰されようと痛くも痒くもありません。」
佐々木は凛のガウンを掴んだ。
「局長…?何を…」
「でも捨て駒でない私の「もの」に赤の他人が手をつけるのは…堪らなく嫌ですね、私は。潔癖エリートですから。」
そして凛が着ていたガウンを剥ぎ取った。
「他人に汚されるくらいなら、私が汚します。」