第24章 進路相談【坂田銀八】
犬を引っ剥がし、凛は一回シャワーを浴びた。
そしてとりあえず状況が落ち着いた所で今に至る。
「んで、何なの。この犬。」
「帰り道、公園に捨てられてるこの子を見つけたんです。」
「んで引き取って持って帰ってきた、と。」
「はい。そしたら思った以上になつかれて…」
「どうにも離れなくて困って俺に電話した、と。」
「そう事です。」
銀八は大きく溜め息をついて頭を垂れた。
「……俺の焦りを返せ。ふざけんなよ……」
凛の一大事かと思って慌てていたのが少し恥ずかしい。
「でも…飛んできてくれて、嬉しいです。」
凛が向けた笑顔は、銀八の「雄」に火をつけるのには充分だった。
「親はどうした。」
「結婚記念日で旅行中でいないんです。」
「じゃ、いっか……煽ったのはお前だからな。」
銀八は凛をベッドに優しく押し倒した。