第22章 デート【神威】
「あんなに大きな声出しちゃって…はしたないゾ♪」
「出させたのは神威でしょうよ…」
事後、凛はシーツをかけられた状態のまま、ベットに伏して一歩も動けずにいた。
神威とのセックスは冗談抜きで激しい。
気持ち良すぎて体力を失うのだ。
「喧嘩だったらいい勝負なのに…一方的で悔しい。」
「だったら俺を攻められるようなテクニックを身に付けなヨ。」
「ぐぅ……いつか絶対ヒイヒイ言わせてやる…!」
「期待せずに待っとくネ。」
神威は上裸のまま、そばにあった水のペットボトルを取った。
そしてそのまま半分飲んだところで凛に渡す。
「ん。」
「ん、ありがとう。」
「飲んで動けるようになったら部屋に戻りな。」
「えー…もうちょっと話してたい。」
「んー、でも面倒な…いや、楽しい事になってるから一回戻って泣きついて貰えると有り難いナ。」
「え?」
神威の目がスッと戦闘モードに切り替わる。
「感じた気配…君のパパの側近かな?凄い速さで遠ざかった事から察するに…」
「……神威が私を無理矢理襲ったと勘違いしてパパに報告に行った。」
「作戦成功だネ♪」
「私を出汁に使うなっ!まったく……分かったわよ。パパに告げ口してあげる。」
父は娘に甘い。
凛が「恥ずかしい思いをした…でも、それでも神威が好きなの」とでも言えば、お仕置きがてらほどよい戦力の兵を神威に仕向けるだろう。
凛は少々呆れながら、また、痛む腰を擦りながら神威の部屋をあとにした。
「(でも、ま、私も気持ち良かったし、神威も喜んでるならいっか。)」
結局は凛も大概神威に甘いのであった。
━ fin ━