第22章 デート【神威】
部屋で神威を待つ事三十分。
ムスッとした顔で神威は戻ってきた。
「こってりしぼられたみたいね。」
神威が遠征先で色々やり過ぎたのを、ここに来る途中に阿伏兎から聞いた。
「目的は果たしてるのに、細かいよネ。」
神威はベッドに胡座をかいて座った。
そしてその隣に凛。
「ねえねえ、神威。」
「ん?」
「今度の遠征、私も連れてってよ。デートがてら、ね?」
神威は首を傾げた。
「でーと?」
「そそ!男の子と女の子が二人で遊びに出掛けるの!」
「強い人達と戦いに行くんだったらいいよ。」
「戦闘狂め…もー…そういうのじゃなくってさ…」
「なら行かない。」
意地悪め…
凛はプクッと頬を膨らませた。
「あ、そういえば、戻ってくる時に面白い話を聞いたんだ。」
興味無い事は無視。
凛のデート案はスルーされた。
「いつか意地でも連れ出してやる…んで?どんな話?」
聞くと同時に、神威の顔に黒い笑みが張り付いた。
「なんかね、俺をぶっ潰そうとする動きがあるみたいなんだ。」