第22章 デート【神威】
宇宙海賊春雨本部船。
幹部の娘である凛は浮き足立ちながらウロウロ歩き回っていた。
「はーやく来ないっかなっ♪」
父から聞いた所によると、そろそろ神威が遠征から戻ってくるとか。
「あ!いた!!神威ーっ!!」
凛は走って神威に飛びついた。
「凛、邪魔♪」
相変わらずつれない奴め…
神威は凛の頭を掴んで自分からペリペリと引き剥がした。
だが夜兎族の力を使ってぶっ飛ばさないあたり、凛は気に入られているようだ。
「寂しかったよー!」
「んー、今から報告行かなきゃだから、部屋で待っててヨ。相手したげるカラ。」
凛と神威は友達以上恋人未満という関係。
でも凛はそれで充分だった。
女なんてほとほと興味ない神威。
でも自分だけは別…それだけで良いと、心から思っていた。
「報告なんて阿伏兎に行かせればいいのに。」
「俺もそうしたいんだけど、代わりに他の雑用を引き受けてくれるって言うからさ。」
「ふーん…なら部屋で待っとくね!」
凛は神威の部屋がある第七師団船に向かうべく、タタッと駆けていった。