第19章 誕生日【土方十四郎(5/5)】
結局、凛は数日間昏睡状態に陥ったが、後遺症も無く意識を取り戻した。
『凛…この数日はお前の事ばかり考えていたよ。』
目覚めて最初に見たのは土方の顔。
どうやら可能な限り、凛のそばについていたようだ。
『お前がいなくなっちまったら、なんて考えると…どうにも恐ろしくてな……』
真選組鬼の副長が情けねえ、と土方は失笑する。
『…お前の告白の返事だけどよ、考えるまでも無え。』
頬が熱い。
怪我のせいでもなんでもない。
これは 期待
『俺の方から頼みたい。これからは、恋人として俺のそばにいてくれ。』
生きて会えた喜び
想いが通じ合えた喜び
全ての喜びに心がうち震え、凛は静かに泣いた。