第19章 誕生日【土方十四郎(5/5)】
『凛っ!凛っ!!大丈夫か!!しっかりしろ!!』
『ひじかた…さ…私……斬られ…?』
『馬鹿野郎…っ!俺なんか庇いやがって!!』
『…でも…無事で…良か……た…』
背中が燃えるように熱い。
体を動かそうにも動かない。
呼吸するのも少しキツかった。
でも不思議と痛みはなかった。
『すぐ片付けて救急車を呼ぶ!死んだら…許さねえぞ!?』
『せ……ぷく…で…す……か…』
『ああ!切腹だコノヤローッ!!絶っ対死ぬなよ!!』
そう言いながら、さっきとは段違いの勢いでズバズバと敵を斬り倒していく。
切腹だったら…どっちみち死んじゃいますよ
ああ…戦ってる土方さんも…かっこいいな…
いつの間にか抱いていた恋心。
その気持ちに気づいたのは最近だけど、想いも告げずにこの世を去るのは寂しくて、凛は静かに涙を流しながら目を閉じた。