第18章 入学式【坂田銀八】
「Z組の皆さん、改めまして自己紹介させてください。生物教師の一ノ瀬凛です。これから一年間、皆さんとこの学校生活を楽しく過ごしたいと思います。よろしくお願いします!」
Z組に着いてからはまず凛が挨拶をした。
「お前ら、この先生はまだ慣れない事も多くて大変なんだから迷惑かけんなよ。」
「え、教師なりたてなんスか。」
「おい、土方。今は休み時間じゃねえ。飲んでるマヨをしまってから質問しろ。」
「え、と…ええ。まだ教師になって二年です。」
ほらみろ、マヨにびびってタジタジじゃねえか。
「ならここで色んな『初めて』を味わえますねぃ。」
「この先生にトラウマを植え付けるつもりか、止めろ。」
「先生っ!ここは親睦を深めるために全員のスリーサイズを測り合いましょうっ!」
「近藤、お前のその案には是非乗っかりてぇとこだが、お妙の殺気が恐ぇから却下だ。」
どうしてこうも阿呆ばっかなんだ?
銀八の隣では凛が少し慌てていた。
このクラスに慣れるには少し時間を要するかもしれない。
銀八は凛のために早々にHRを切り上げた。