第17章 誕生日【山崎退(2/6)】
だが、ふと見ると、凛ちゃんの横にはまだ袋があった。
「凛ちゃん、それは?」
聞いてみると、凛ちゃんは少し照れくさそうにその袋を後ろに隠した。
「あ、いえ、これは…気にしないでください!」
「そう言われると余計気になっちゃうものだよ?」
「え、じゃあ気にしといてください!」
「そういう問題じゃないよね?」
同じような言葉を他のむさい隊士が返してきたらイラッとするのに、凛ちゃんだとむしろ和むのが不思議だ。
彼女マジックか?
いや、美女マジックかも。
「うう…ほんとに…何でもないんですよぉ…」
だが珍しく焦る凛ちゃんを見ると、何だか少し違和感があった。
まさか……
いやいや。
いくら凛ちゃんでもそんな事は……
でも待て…
もしかしたら……
聞くべきか?
ここは素直に平静を装って聞くべきか!?
「凛ちゃん……」
「は、はい?」
「それって…
「えっ!?いや、そのっ!これは…っ!」
「副長への贈り物ですか。」
「………………は?」