第15章 初詣【沖田総悟】
「俺のダチの連れがよ、前に沖田に惚れててなぁ。でも告白した後にぶちギレて帰ってきたんだよ。」
「なんでか分かるか?」
「さぁ。」
「あいつ!『容姿も性格も姉上に遠く及ばない』っつって振ったんだよ!!くはははは!!」
「僕の中ではお姉ちゃまが一番ですぅ〜ってか!!ふははは!!」
「…………。」
凛は押し黙ったままだ。
「とにかく、アイツは女をみんな姉貴基準で見てんだ。お前もどうせ姉貴の代わりとしか見られてねえって事だよ。」
「だからよ、ちゃんとお前を見てやる俺らと付き合おうぜ。あんなシスコン止めてよ。」
「こんないい女、沖田なんかにゃ勿体無ぇ。」
俺は否定出来なかった。
確かに、俺が素直になれる唯一の存在は姉上だったから。
それに、現に今まで近寄って来た女はそれに怒って離れていったから。
「(こいつとも…もう終わりか…)」
この男達の言葉を聞いて、さぞかし俺に幻滅した事だろう。
だが…実際…少し寂しい気もしていた。
初めて、身内以外で真選組以外で大切だと思える人だったから。
「("また"俺は…取られるのか。)」
俺は凛に背を向けた。