第15章 初詣【沖田総悟】
「くそっ…人が多い…」
スムーズに動けないくらいの人混みにイライラしながらも凛を探す。
すると思っていたよりも早く凛の姿を見つけた。
「なんでい、ちゃんと持ってんじゃねーか。」
凛の両手には湯気の立ち上る温かそうなお茶の入った紙コップが握られていた。
だが…
「なんでい…あいつらは。」
凛の前には数人の男が立ち塞がっていた。
よく見ると、あの転海屋に関わって捕まったが、深くには立ち入ってなくて最近釈放された奴らだった。
「今更何を。」
俺はそいつらに近づこうとしたが、聞こえてきた会話に足を止めた。
「お前、あの真選組の沖田の恋人だろ?さっき一緒にいんの見たぜ。」
「だったら何ですか。どいてください。」
「いやいや、あんたは知らないだろうと親切な俺らが真実を教えてやろうと思ってよ。」
「何をですか。」
「あいつが重度のシスコンって事だよ。」
男達は汚い薄笑いを顔に浮かべていた。