第15章 初詣【沖田総悟】
「んな事はとっくの昔に分かってるわよ、このタコ共。今更何って感じ。」
「あ?」
聞こえてきたのは、意外にも凛の挑戦的な言葉。
振り返って見た凛の顔には怒りが顕れていた。
「新しく現れたものを大好きなものと比較すんのは当たり前でしょ。何が悪いの?」
だがそれは男達の神経を逆撫でする。
「てめえ…その"姉上"に勝てる気でいんのか?自分を鏡でよく見てみろってんだ!」
「勝つ気なんて毛頭ないわよ。勝とうとも勝てるとも思ってない。馬っ鹿じゃないの?」
「んだと!?」
このままじゃ凛に危害を加え兼ねない。
俺は止めに入ろうと手を伸ばしかけた。
「みくびらないで!!」
凛の大きな声に、俺と男達も含め、周りの数人が一斉に凛を見る。
「沖田さんの大好きな人が出来なかった事を私はするの。大好きな沖田さんの大切な人だから…その人の代わりに沖田さんの未来を見届けるの!心配して欲しくないから。」
そして一息ついて男達をギロリと睨んだ。
「あんた達の器の小さい連れと一緒にしないで。」