第15章 初詣【沖田総悟】
「何を願っていたんですかぃ。」
帰り道、俺は凛に聞いてみた。
あんなに一生懸命、こいつは一体どんな事を願ったのだろうか。
「んー…色々ですよ。真選組や大江戸病院の皆さんが元気でいられますように、とか。仕事が上手くいきますように、とか。」
「欲張りですねぃ。そんないっぱい願書つきつけたら、神様とやらも筆を投げ出しますぜ。」
「噂に聞く沖田さんの始末書じゃあるまいし…でも大丈夫です。無理言ってるわけではないので!」
「は?願ってる時点で明らかに他力本願だろーが。」
「違いますよ!私は『努力するのでそれに見合った結果をください』って願いですから。」
― まずは自分の力第一 ―
そんな精神で物事に臨む彼女が、密かに自慢だったりもする。
俺は口元を一瞬緩めた。
「沖田さんは何をお願いしたんですか?」
「俺はてめーと違ってちゃんと一つでさぁ。」
「え、何々!?」
キラキラと目を輝かせる凛にニヤリと笑いかける。
「俺の願いをいついかなる時も叶えやがれ、コノヤロー」
「それ一番ダメなやつ…というかなんて上から目線なの…」
凛は呆れた顔で苦笑していた。
だが本当は……――