第15章 初詣【沖田総悟】
姉上が死んで以降、俺は足繁く大江戸病院に顔を出した。
そして一緒に姉上の墓参りをしたり、飯食ったり…
だがある日のこと。
給料貰ったから、メス豚にもたまには奮発して豪華な飯でも食わせてやろう、といつものように誘いに病院へ行った。
そこで見たのは…
『一ノ瀬さんの事、ずっと好きだったんだ。良かったら付き合って欲しい。』
同僚から告白されてる凛の姿。
『え…と……あの…』
『今すぐ返事をくれとは言わない。じっくり考えて欲しいんだ。俺の事を。』
あの男の事をじっくり考えるだって?
俺は言い様のないイライラが腹の底から沸き上がってきた。
そして感情の赴くまま、大股で二人に近づいて凛の手を取っていた。
『悪いが、こいつには既に飼い主がいるんでさぁ。諦めろ。』
『沖田さんっ!?』
『沖田って…真選組の沖田総悟!?』
『俺が誰だろうと関係ねえ。こいつは俺のもんだって言ってんだ。』
『な、え…?でも一ノ瀬さんは彼氏いないって言っ…』
『いいから失せろ。こいつに告白したその口、削いでもいいんですかい?』
その同僚は俺の殺気に若干悲鳴を上げて一目散に逃げた。
それから俺はきちんと気持ちを伝え、めでたく付き合ったってワケでさぁ。
ん?そこが一番詳しく聞きたいって?
教えてやるわけ無えだろうが。
そこは俺と凛だけの秘密でさぁ。