第14章 年末【土方十四郎】
土方が顔を寄せたことで、凛はより間近で土方の体を目にする。
土方の体には小さいものから大きなものまで傷がたくさんあった。
「土方さん…ご自分の体は大切になさってください。」
「あ?」
「こんなに傷痕があるなんて。」
中にはきっと、凛を守ろうとして負ったものもあるはずだ。
「気にするな。俺は男だからな。それに…お前に傷がつくよりずっといい。」
そう言って土方は凛の綺麗な肌に口付けを落としていく。
「んっ…少しは私にもその痛みを分けてくださいよ。」
「体の痛みはダメだ。」
「でも…」
「お前の綺麗な肌が傷ついたら、それを阻止できなかった自分が許せなくなる。」
そんな事を言われて嬉しくない訳がない。