第14章 年末【土方十四郎】
「あの時は二人でちょっと笑っちゃいましたよね。」
「本当はもっとビシッと決めたかったんだけどな。」
凛と土方は互いに苦笑した。
「でもその時の傷、残っちゃいましたね。」
凛の代わりに切られた傷は、土方の体に深く刻まれてしまった。
凛はゆっくりと土方の傷をなぞった。
「お前を守った証だ。」
その言葉に、凛は愛しくなってもう一度傷を撫でる。
「……おい。」
「はい?」
「煽ってんじゃねえよ。」
土方は凛を仰向けにしてその上に覆い被さる。
「もう一回しようぜ。」
「え、さっきもしたじゃないですか…」
「足りねえよ。愛しい彼女に体を撫でられちゃ、我慢も出来なくなるさ。」
土方は凛の首もとに顔をうずめた。