第11章 誕生日(冬ver.)【坂田銀時】
凛は素直に銀時に背を向けた。
銀時は首元の凛の髪をどかし、うなじを露にする。
そしてそっとネックレスを凛の首につけた。
銀時の指が首に触れ、凛の心臓は鼓動を増す。
「ほら付けたぞ。こっち向け。」
凛は銀時に向き直った。
「どうですか?似合います?」
そう訊ねて銀時を見上げた時、フワリと甘い香りが身を包んだ。
「え……?」
一瞬何が起こってるか分からなかった。
「凛…」
だが銀時の声が耳元から聞こえた事でようやく抱きしめられている事に気づく。
「ぎ、銀さんっ!?な、何をしてるんですか!」
びっくりして腕から逃れようとするが、銀時がそれを許さない。
「男が女にネックレスを贈る意味、知ってるか?」
抱きしめられているため銀時の顔が見えないが、銀時の声は落ち着いていた。
「い、意味、ですか…」
なんとか答えるが、凛は自分の鼓動が銀時に聞こえてるのではないかと気が気でない。
「…ネックレスはある意味首輪。輪のアクセサリーをやるのは、独占欲の現れだ。」
「え?」
それって…まさか…
凛の頭の中は混乱していた。
だが、一つの期待が湧く。
「銀さんは……」
大人しくなった凛の体から腕をほどき、でも至近距離のまま凛の唇を親指でゆっくりなぞる。
「好きだよ。お前の事。」
そのまま流れるように、銀時と凛の唇が重なった。