第11章 誕生日(冬ver.)【坂田銀時】
その時、空からチラチラと雪が舞い降りてきた。
「お、雪か。寒いわけだ。」
銀時はブルッと身震いをした。
「よし、渡すもんも渡したし、そろそろ俺は帰っかな……ん?」
無意識だった。
帰ろうとした銀時の着物の袖を凛は掴んでいた。
「どうした。」
「あ!え、えと……送ってくれたお礼というか……身体冷えちゃっただろうし…お茶でも飲んで温まっていきませんか。」
ちょっと大胆すぎたか?
恥ずかしくなって凛は耳まで真っ赤になってしまった。
これでは「好きです」と言ってるものだ。
「あ、いや!明日も仕事ですよね!早く帰った方がいいですよね!引き止めてすみません!!じゃ、私はもう家に入り…」
「上がらせてもらうわ。」
……え?今、なんと?
凛は呆気にとられた顔をした。
「マジで寒いし…ここは甘えさせてもらうぜ。あ、飲み物出してくれるなら甘いやつ、もちろんホットでよろしく。」
どうやら凛の気持ちには気づいていないようで、縮こまってプルプル震えながら凛より先に玄関の門をくぐった。
「誘ったのは私ですけど…客人にしては注文多くないですか?」
気づかれていない事にホッとしつつ、プレゼントを大事に抱えて凛も銀時の後を追って家に入った。