第11章 誕生日(冬ver.)【坂田銀時】
凛が万事屋と知り合ったのは、前述の通り仕事を依頼した時だ。
凛は以前、悪質なストーカーに狙われていた。
警察に言っても、大きな害がまだ無かったので充分に対処してもらえず酷く悩んだ。
その時友人に紹介されたのがあの「万事屋銀ちゃん」だったのだ。
「凛さん、最近は大丈夫ですか?」
「お陰様で!銀さんが一回半殺しにしてくれたから姿を見かける事も少なくなってるよ。」
依頼してからはずっと万事屋の誰かが護衛として一緒にいたため、ストーカーも容易に近づけなくなった。
だが数週間経ったある日、いつものように万事屋メンツ(その日は銀時)と一緒にいた時のこと。
痺れを切らしたストーカーが凛を拐おうと襲ってきたのだった。
だが護衛は銀時。
ストーカーは一瞬の間に叩きのめされたのだ。
「皆には感謝してもしきれないよ。」
「僕達はただ一緒にいただけですよ。」
「実際に凛ちゃんを助けたのは銀ちゃんアル。」
「いやいや…そばにいてくれるだけでも本当に助かってるのよ!」
ストーカーというのはしつこいもの。
一度懲らしめたからと言って…もう来ないとは限らない。
安全の為に事件以降もことあるごとに凛は護衛についてもらっていたのだ。
「お礼をしたいのは私の方なのに…今日は私のためにありがとう!!」
今日は凛の誕生日という事で、万事屋で皆でお祝いしてくれることになっていた。