第11章 誕生日(冬ver.)【坂田銀時】
誕生日会はとても楽しいものだった。
万事屋は万年金欠という酷い経済状態のため、豪華なプレゼントは無い。
だがプレゼント以上に嬉しいものを貰った。
「一人暮らしだから、こんな風に祝ってもらえるとは思わなかったわ。」
万事屋でドンチャン騒ぎをし、日付が変わろうかという頃に凛は自宅への帰路についていた。
「ま、俺らもただばか騒ぎしたいだけってのもあるけどな。」
隣にはいつもの様に護衛として、今回は銀時がいた。
「あんなにたくさんの人に祝ってもらえるなんて…本当に嬉しかった!というか、面白かったです。」
誕生日会の途中、お登勢が上質なお酒を出してくれたり、お祝いと称してご飯を漁りに長谷川さんが来たり…
酔った銀時を襲おうとさっちゃんもやって来た。
お妙を追いかけてきたゴリラもいた。
メンバーを考えただけで分かるように、パーティは騒がしい宴会となったのだった。
「お前さんが喜んでくれたなら良かったよ。」
寒さに縮こまりながらも、銀時は凛の頭を大きな手でポンポンと叩いた。