第10章 花火大会【沖田総悟】
花火大会当日、凛は河原のそばでモジモジしながら沖田を待っていた。
凛「うう…沖田さん…早く来て…っ!」
涙を浮かべながら、凛は気が気でなかった。
なぜなら…沖田からの"指示"のため。
沖「先に来てやしたか。さすが忠犬、偉い。」
凛「うう…」
いつもの意地悪発言に反論する気も起きない。
沖「やっぱ花火大会といえば浴衣でぃ。」
沖田はゆっくりと凛の耳元に口を寄せる。
沖「言われた通り、下着はつけてないみたいですねい。この破廉恥。」
凛「っ!お、沖田さんがそう言ったんでしょう!!」
恥ずかしすぎて真っ赤になりながら、か細い声で精一杯の悪態をつく。
沖「普通の指示出すと思いやしたか。俺がこういう事言うの分かってて"言うこと聞く"っつったんでしょう。立派な変態ですぜい。」
凛「うう…っ…」
羞恥心のあまり、凛は涙をホロリと一滴落とした。
沖田はその真っ赤な目元を指で優しくなぞる。
沖「その顔も俺は好きですぜ。」
凛「は…」
見れば沖田は優しく微笑んでいた。
凛「ズルい…」
その笑顔で何でも許す気になってしまうのだ。