第10章 花火大会【沖田総悟】
凛「もうそろそろ終わりそうですね。」
目の前の残り少ない攘夷志士を切りながら、背中合わせの沖田に言う。
沖「また大将は土方ですかい。欲張りなニコチンめ、俺に譲れってんでぃ。」
どうやら御用改めも終盤のようだ。
凛「あ、そうだ!沖田さん。」
沖「?」
凛「明後日非番ですよね。花火大会行きましょうよ。」
沖「花火なら今上がってらぁ。」
次の瞬間、沖田が持つバズーカが火を吹いた。
― ドッカーーーン!! ―
ぎゃあああああああ
沖「汚え花火でぃ。」
凛「いや、もっと綺麗なやつ。赤とかオレンジとかの。」
― ドッカーーーン!! ―
うわあああああああ
沖「これ。」
凛「鮮血じゃねぇっつーの。」
攘夷志士を吹っ飛ばしながら、沖田はなかなか承諾してくれない。
せっかくの恋人なんだ。
夏の風物詩を愛でるデートは外せない。
凛は食い下がった。
凛「お願いします、沖田さん。」
沖「面倒でい。」
凛「行きましょうよー。」
沖「面倒でい。」
凛「何でも一個言うこと聞くから行ってくださいよ!」
沖「わかった。行きやしょう。」
凛「え?……!?」
凛は自分の失言を悔いた。
沖「"何でも"聞いてくれるんだな?」
黒い笑みを浮かべた沖田を見て、凛は今更ながら駄々をこねた事を後悔した。
沖「後で指示を出しやすねぃ。」
波乱に満ちた、花火デートになりそうだ…