第3章 天使と疲労と一次試験
走りはじめて、5時間近く経とうとしていた。
まだまだ出口らしきものは見えてこない。
一方私は………
「長いなぁ………。どのくらい長いかって言うとダ〇ブルドア先生のおひげくらい…」
「ダ〇ブルドア先生って?」
「あー、私が持ってる小説の登場人物だよ。ゴンに今度見せてあげるね」
「うん!ありがとう!」
こんな他愛もない話をしながら走っていた。
すると
「ハァッ、ハァッ………!!!!」
「……!?レオリオッ?」
レオリオが足を止めた。
反射的にキルア、ゴン、私は足を止める。
「行こうぜゴン、 」
「え、でもさ……」
「………………」
「遊びじゃないんだぜ」
確かに。それは私も分かってるけど……
でも、
ゴンは黙ったままレオリオを見ている。
「………………ざけんなよ、」
「ん?」
「絶対ハンターになったるんじゃぁあ!!クソッタラぁぁぁあっ!!!!!!!」
どどどどどっ!!
うおおおおおおっ!!!と走り去っていくレオリオ。
なんだ、元気じゃん。
ゴンが、釣竿でレオリオのカバンを拾う。
「か、かかか、かっこいいぃ~!!!///////」
「おー、かっけぇ!あとで俺にもやらしてよ」
「スケボー貸してくれたらね!」
………うん、この二人見てると癒される。
今ならどこまでも走れそうな気がするよ。
そう、今のままなら、ね?
……………数時間後、私は絶句する。
「お、おい!マジかよ……!!」
受験生の一人が呟いた。
だって、その先には出口が全く見えない長い長い階段があったのだから。