第32章 涙と勧誘と脱出
前回までのあらすじ。
真っ黒チビ助フェイタンにより両腕(特に左腕)を粉砕された!
さらに、すでに30は過ぎているであろうおっさんに迫られているところを王子ゴンに救出される!
そして、のかわりに腕相撲をすることになった……
けど、
ダンッ!!
何これ。
「もう一度」
「ぐっ…」
ダンッ!!
ゴンの手が、何回もたたきつけられてる。
さっきからその繰り返し。
こんな、こんなのって…
「もう一度」
「ちょっと待って!」
「…何だ」
わぁ怖い顔。
でもそんなんでひるむ私じゃないもんね!
「ゴンの手が血だらけじゃん!勝負ついてるしもうやめてくださいよ」
「なぁマチ、オレは旅団の中で腕相撲は何番目に強いかね?」
「聞けよ」
あれ?さっき何だ?って言ってたよね?
なんで無視されてんの私。
てか旅団にもスルーされるってどういうこと?死ぬの?
ノブナガさんが……ああもうノブナガでいいや。
ノブナガがいきなりゴンに語り出すと、背後に誰か立った。
振り返ってみると…
「(ヒソカ?)」
「♥︎」
目が合うとにこやかにこちらを見てくる。
やたらと出口をチラチラ見てるな………あ!もしかしたらここから逃がしてくれるのかも!
キラキラとした目で見てたら頭を撫でられる。
こ、これは確定だ!
やっぱりヒソカってなんだかんだでゴンのこと大好きだもんね。
あんなヒゲ面に殺されたくないもんね!
するとヒソカは口パクで"耳を貸して"と言う。
なるほど。これから脱出の方法を教えてくれるわけですな。
素直に耳を近づけると、ヒソカがささやく。
「……最近、ツ○ッター始めたんだ♦︎」
「果てしなくどうでもいい!!」