第14章 修行と執事とキルア救出
少し待っていると、奥の部屋からキルアが入ってきた。
「ゴン!!あと、えーと、!!クラピカ!!リオレオ!!」
「おま、一瞬私のこと忘れてただろ!」
「ついでか?」
「レオリオ!!」
キルアの発言にゴン以外の三人はブーイング。
レオリオとか名前間違えられてるし。
「早速だけど出発しよーぜ、とにかくどこでもいいから。ここにいるとおふくろがうるせーからさ」
「あー…確かにうるさそう…」
キルアママンは少しトラウマかな、うん。
「あ、そーだゴトー。いいか、おふくろに何を言われてもついてくんなよ!」
「承知しました。いってらっしゃいませ」
あ、あのメガネの執事さん、ゴトーさんって言うんだ。
「ゴトーさん、キルアがいなくなったら寂しくなるね」
キルアがクラピカ、レオリオと話している最中、ゴンがゴトーさんに話しかけていた。
「いいえ…私共執事は、雇用主に対して特別な感情は持ち合わせておりませんので」
「うそつき!」
あ、舌出してるゴンかわいい!
「ゴン、そろそろ行こう?キルア達もう外に行っちゃったよ」
「うん!」
「ゴンくん、さん」
ゴトーさんに呼び止められる。
振り向くと、ゴトーさんはコインをはじいた。
パシッ!
「さぁ、どっちです?」
「左手でしょ?」
「うん、私も左手」
しかし、ゴトーさんが手を開くと、なんとコインは右手に!
「うそぉ!」
ゴンと私は顔を見合わせる。
うん、どーみてもコインは左手だったはず…
「そう、トリックです。世の中正しいことばかりではありません。お気をつけて」
…これは、ゴトーさんなりの助言だととっていいのかしら?
なんだかんだでゴトーさんもキルアが心配でならないんだね、きっと。
「キルア様を、よろしくお願いいたします」
……こうして私達は、無事キルアを取り戻してゾルディック家をあとにした。