第13章 試しと門とゾルディック家
「ん?」
「あなたは中に入るんでしょう?中に入る必要がないのなら、鍵を持つ必要もないですから」
あ、なるほど。
クラピカの言う通り、おじさんは何でミケに食べられないのかな?
するとおじさんは、ほぉ、と感心し、胸ポケットから扉の鍵を取り出した。
「いいとこつくねぇ……半分当たりで半分ハズレですね。確かにあたしは中に入るが、鍵は使いません。これは、"侵入者用"の鍵なんですよ」
……うーーん?侵入者用…??
まだよくわからないぞ?
そう思ってるとおじさんはさらに説明を続けた。
そして、侵入者用の扉にはわざと鍵をつけていて、本当の門には鍵がかかっていないことが分かった。
「…!!…そうか!本当の門には鍵がかかっていない!」
「なに!?」
それを聞くと、レオリオは外へ飛び出した。
「ちょ、おーい!どこ行くのレオリオ!?」
「鍵がついてねぇなら開くはずだろ?ちょっと試すんだ」
あ、そっか。
鍵がついてないなら門は開くはず………って思ってたけど、レオリオが力を込めても門は開かない。
おい、開くんじゃなかったのかよ!?
「んぎぎっ……!!くそ!押しても引いても左右にも開かねーじゃねーかよ!」
「ちょっとちょっとぉ、レオちゃぁん、それでも男ぉ?もっと力出しなさいよぉ」
「うっせえぇ!!これでも全力なんだよ!そんなに言うならお前がやってみろボケ!!」
「あぁ~ん?なめんなよ私の底力」
私はレオリオと交代する。
よし、重そうだからちょっとだけ念使おう。
両腕にオーラを集めて、私は門に手をついた。
「うぉらぁぁあ!!」
ゴゴゴゴ……
1と書かれた扉がゆっくり開く。
おぉ!開いたぁあ!!
私は喜びで扉から手を離した。
「へっへ~ん!どーだレオリへばあ"ぁっ!!?」
レオリオ達の方に振り返った瞬間、勢いよく戻ってきた扉に吹っ飛ばされる。
こ、これ、自動的に閉まるタイプですかっ……!!
私は宙を舞いながらそう思った。