第13章 試しと門とゾルディック家
「…なるほどねー、キルア坊っちゃんの友達ですかい」
あれから私達4人は、おじさんに守衛室へ通されて、お茶をもらっていた。
うーん、久々の緑茶!
なんかこのおじさん、ここに雇われてるのに優しいなぁ。
「うれしいねぇ、わざわざ訪ねてくれるなんて。あたしゃ20年勤めてるけど、あんた達が初めてだよ。友人としてここに来てくれたのはね」
20年もこんなとこ勤めてんの!!?
マジで肝が座ったおじさんだ……!!尊敬しそう!
ハゲてるけど、この人はいい人だぁあ!
「おじさん、こんなに優しいんだから学校の教頭とかやればいいのに!」
「ははは!ありがとう…………しかし、君らを庭内に入れるわけにはいかんのです」
急に、おじさんが真面目な顔でそう言った。
「さっき君らも見たでしょ?でかい生き物の腕を。あれはミケといって、ゾルディック家の番犬なんですがね」
名前がミケなのに番犬なんだ……。
ていうか、人間をあんなにキレイに食べる生き物を番犬とは言わないよね。
化け物というよね、うん。
誰だよ、こんな微妙なネーミングセンスで名付けたやつ。
「家族以外の命令は絶対聞かないし、なつかない。10年前から主の命令を忠実に守っているんだよ。"侵入者は全員噛み殺せ"……ってね」
「こわっ」
だから、あの二人は殺されちゃったのね。
そう思っていると、隣でクラピカが首を傾げる。
そしておじさんに向かって、こう言った。
「…じゃあ守衛さん、あなたは何故無事なんですか?」