第11章 夢と面談と最終試験
その後、第3、第4、第5、第6試合は順調に進んで行った。
そして……
「第7試合、キルア対ギタラクル!」
「…!!」
あの針男か!
………あの人案外強そうだけど、キルア大丈夫かな?
そして、試合が始まったとたん、
「久しぶりだね、キル」
「!?」
あの針男は、顔の針を抜きはじめた。
………っていうか、キルって……??
そして、ギタラクルはまたあの美人さんに変身した。
「……兄貴…!!」
「や」
…………………え、兄貴!?
「キルアの兄貴……!?」
クラピカとレオリオも驚愕している。
そんななか、ギタラクルは続けた。
「母さんとミルキを刺したんだって?」
「…まぁね」
「母さん泣いてたよ」
「そりゃそうだろうな、息子にそんなひでーめにあわされちゃ…」
レオリオがボソッと言う……が、
「感激してた。"あの子が立派に成長してくれてうれしい"ってさ」
あまりにもクレイジーな返答だったので、レオリオはずっこける。
「奇遇だね、まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんてね。実はオレも次の仕事の関係上、資格を取りたくてさ」
「…別になりたかった訳じゃないよ。ただなんとなく受けてみただけさ」
キルアの声は、何となく震えているような感じがした。
「…そうか安心したよ、心置きなく忠告できる………お前はハンターには向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから」
ギタラクルは、まるでキルアを威圧するようにそう言い放つ。
……………ホントに兄弟なんだよね?
「影を糧に動くお前が唯一歓びを抱くのは、人の死に触れたとき。お前は親父とオレにそう育てられた。そんなお前がなにを求めてハンターになると?」
キルアは下を向いて、言うことを考えているようだ。
「…確かに、ハンターになりたいと思ってる訳じゃない。だけどオレにだって欲しいものくらいある」
「ないね」
「ある!今望んでることだってある!」
「ふーん、言ってごらん。何が望みか」
キルアは一呼吸おいて、
「ゴンと……友達になりたい」
そう言った。