第11章 夢と面談と最終試験
「第二試合、ハンゾー対ゴン!」
今度は、ゴンが前に出る。
「ゴーーーン!!頑張れー!!」
「うん!ありがとう!!」
ゴンは笑顔で手を振ってくれた。
そしてハンゾーは、ゴンの後ろからまだ私をちらちらと見てくる。
が、目が合うとすぐに目をそらす。
隣を向くと、レオリオがまだニヤニヤしていた。
なにこれ、新手のいじめ?
「それでは………はじめ!」
審判が合図するのと同時に、ゴンは走り出した。
……が、
「おおかた足に自信アリってか、認めるぜ」
ドゴッ!
「……!!ゴン!」
首の後ろを殴られて、倒れる。
ゴンは、ハンゾーより確実に戦闘力が劣っていた。
でも……
「………ゴンは、まいったなんて言えないよね」
私はそう予想した。
あれから三時間。
ゴンはずっと拷問を受け、腕を折られても絶対にまいったとは言わなかった。
痺れを切らしたハンゾーが、ゴンに刃物を突きだす。
「やっぱり、お前は何も分かっちゃいねぇ」
しかし、その目には焦りが見えた。
……もしかしたらこのハゲ、根はいいやつなんじゃ………
「死んだら次もくそもねーんだぜ。かたやオレはここでお前を死なしちまっても、来年またチャレンジすればいいだけの話だ!……オレとお前は対等じゃねーんだ!」
しかし、ゴンは何も答えない。
私も、クラピカとレオリオとその姿を見守る。
「…なぜだ……命よりも意地が大切だってのか!!そんなことでくたばって本当に満足か!?」
「……親父に会いに行くんだ」
「!!」
「親父はハンターをしてる。今はすごく遠いところにいるけど、いつか会えると信じてる……もしオレがここで諦めたら、一生会えない気がする。だから退かない」
「………」
ゴンのその言葉で、少しの沈黙のあとハンゾーは刃物をしまう。
そして、
「まいった。オレの負けだ」
あきらめたようにそう言った。